大学改革・学位研究
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大学におけるLGBTQ学生対応とガイドライン策定の現状
―各大学のホームページを対象とした探索的調査―
渡邉 歩樋熊 亜衣河野 禎之
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ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 2024.25001

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抄録

本研究は,日本の大学がLGBTQ学生に対してどのような対応を行っているかを探索的に調査し,具体的な取組内容の項目を明らかにすることで,大学のLGBTQ対応の実態把握と体制整備に向けた具体的な示唆を得ることを目的とした。全国308校を対象に,LGBTQ学生対応に関するホームページ上の掲載情報についてインターネット検索により分析した結果,約4割の大学で記述があり,特に国立大学や学生数が5,000名以上の大学で約6割程度と掲載率が高いことが示された。さらに,具体的なガイドラインを有する45校を分析した結果,取組内容の項目は方針,組織・体制,性別・氏名情報の取り扱い,授業・実習,学生生活,在学前後の対応の6つに大別され,特に性別に違和感がある学生に関わる項目が多いことが分かった。これらの結果に加え,大学のLGBTQ学生対応に関する体制整備に向けて,大学間の連携のほか,大学の主体的なガイドライン作り,高大連携・キャリア支援,当事者を包摂する地域連携等の必要性が示唆された。

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