海の研究
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総説
サブメソスケール現象 ─これまでの成果と観測研究の展望─
伊藤 大樹 纐纈 慎也須賀 利雄
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2019 年 28 巻 4-5-6 号 p. 75-95

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抄録

海洋前線やメソスケール現象に伴い全球海洋に遍在するとされるサブメソスケール現象は,エネルギー輸送や生態系,物質循環において重要な役割を果たす可能性があることから,理想化したモデル実験や現実的な条件下のシミュレーション等を用いた研究が近年活発である。数値研究により力学的・生物地球化学的重要性の理解が進む一方で,時空間スケールの小さな現象であるために,現場観測による研究は少ないのが現状である。本論文では,異なる形成発達過程により生じるサブメソスケールの流れを,形成の力学特性に応じて三つの主要なメカニズムに分類しまとめた。そして,この分類とこれまでの観測事例に基づいて,これからのサブメソスケール現象に対する現場観測からのアプローチの可能性を検討した。

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© 2019 日本海洋学会
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