日本海洋学会誌
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眼高差測定器による気温の鉛直傾度の測定
竹内 能忠日向 政明坂本 有隣
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1970 年 26 巻 4 号 p. 226-232

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抄録

眼高差測定器を用いて海面付近の気温の鉛直傾度を通常用いられる方法, すなわち温度計を配置して測るよりも高い精度 (約0.01℃/m) で測定した. この方法のもう一つの利点は, 外洋を航行中の船上から測定出来るから, 短期間に, かつ容易に広い外洋から多くの資料が集められることにある. 北海道大学練習船おしよう丸の2回の航海中で得られた, ベーリング海からオーストラリア南方海域にわたる125点の眼高差の測定値を用いて, 気温の鉛直傾度を計算した.この計算のために, 空気の屈折率が海面上の高さだけの画数であるという仮定だけで計算するための式を導いた. 北太平洋北部では気温の傾度は正, 亜熱帯および熱帯太平洋では正も負も観測された. 一般に同一の海域では気温と水温との差に関係なく気温の鉛直分布は同じ型を示すことが見出された.

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