日本海洋学会誌
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最新号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • Richard J. Bailey, Ian. S. F. Jones, 鳥羽 良明
    1991 年 47 巻 6 号 p. 249-264
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    風で起きる表面重力波の形状と波形勾配に, 実験室でみられるような非常に若い波と, 長い吹走距離にわたる風の応力の結果として現れる, いろいろな波齢の, より大きい波との間に, 変化が見いだされた. 風波の特徴的な形状におけるこれらの違いを, 波齢の関数として提出した. 波形勾配も波齢の関数として表現されるが, その測定値は, 空気の摩擦速度で規格化した波高と特性周期を結び付ける3/2乗則と両立するものである.
  • 松川 康夫, 佐々木 克之
    1991 年 47 巻 6 号 p. 265-275
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    親潮海域がなぜ生産力が高いのか. この問題を定量的に解明するため, 塩分, 溶存酸素, 硝酸態窒素の鉛直分布, セディメントトラップで測定された懸濁物と沈降を釣合いの式にあてはめ, 年間平均の窒素の鉛直循環を解析した. 計算された深層における湧昇速度 (1.7×10-5cm sec-1) と鉛直拡散係数 (2.1cm2 sec-1), 有光層における一次生産 (44mgNm-2day-1) と二次生産 (4mgNm-2day-1) は既往の値とほぼ一致した. 計算された窒素の鉛直循環からは, 深層大循環による補給 (6mgNm-2day-1) に伴い, 表層から中層にかけて他海域への分散 (5mgNm-2day-1) が生ずるので, ニュープロダクション (22mgNm-2day-1) は懸濁物の沈降 (10mgNm-2day-1) と溶存有機物と懸濁物の鉛直拡散 (7mgNm-2day-1) の和を必ず上回ることが推察された. また, 深層大循環, 冬季の対流混合, 中・深層における生物活性の有光層における生物生産を維持するために果たす役割が, 定量的にあきらかにされた.
  • 門谷 茂, 三島 康史, 岡市 友利
    1991 年 47 巻 6 号 p. 276-285
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    巨視的サイズの浮遊性大型粒子 (NUTA) は, 春, 秋の植物プランクトンのブルーミングや赤潮が発生した後などに多く見られることが知られている. このNUTAはロープや漁網などに絡まることがよく観察されているので, この現象を利用して採取する装置NUTA Trapを開発した. NUTA TrapによるNUTAの捕集量は変動幅は有機態炭素で23%, 有機態窒素で25%程度であることがわかった. このNUTAの化学的性質および鉛直分布は採水器により採取される懸濁粒子とは大きく異なっていた. C/ATPおよびC/Ch1αの比較などから, NUTAは植物プランクトンをほとんど含まない粒子群であることがわかった. 化学的キャラクタリゼーションを行った結果からNUTAは懸濁粒子と沈降粒子の中間的な性質の粒子であることが推察された. またNUTA Trapの捕集効率などの計算からNUTAの現存量は懸濁粒子全体の数10%程度を占めていると考えられた.
  • 谷本 照巳, 星加 章
    1991 年 47 巻 6 号 p. 286-296
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    The beam attenuation coefficient, organic carbon (POC) and organic nitrogen (PON) contents of suspended materials in Etauchi Bay, which has little inflow of river water as well as very weak tidal current (maximum speed: 6.5cm·sec-1), were measured as a function of depth for all seasons to understand a seasonal variation of bottom turbidity layer. In spring and summer, the beam attenuation coefficient in bottom layer and POC and PON contents of suspended materials in the surface water layer increased with time, which brought the occurrence of the bottom turbidity layer. From autumn to winter, however, their concentrations became low and constant over the whole depth almost independent of time. As a result, the bottom turbidity layer disappeared in winter and beam attenuation coefficient became constant over the whole depth. From these results, it may be considered that the bottom turbidity layer was produced by phytodetritus brought from surface water layer, rather than by resuspension of bottom sediment in Etauchi Bay.
  • 衛星とOMLETの海洋データとの組合せ
    鳥羽 良明, 川村 宏, 花輪 公雄, 乙部 弘隆, 平 啓介
    1991 年 47 巻 6 号 p. 297-303
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1988年4-5月, 海洋混合層実験観測 (OMLET) の一部として行われた集中観測期間に, 黒潮の大蛇行域から南西方向, 旧南方定点“T”の方へ, 暖水があふれ出す顕著な出来事が起こった. NOAA衛星のAVHRRの一連の赤外画像はこの出来事の過程を明瞭に示した. この実験観測で行った表面ブイ係留系は, T点でのこのアウトブレイク水の到達を, 海面水温の1.5℃の上昇と, 暖水の1.5ktの北西流として記録した. 我々はこの現象を表面水温赤外画像の時系列と, 2つの研究船によって得られた海洋データとを組み合わせて記述した. 暖かいアウトブレイク水は, 137°E断面で深さ約100mであり, 四国沖暖水塊の縁に沿っていた. この種のアウトブレイクが年に約20回起こると, この海域から大気への大きな熱輸送を十分まかないうるという見積りになる.
  • 1991 年 47 巻 6 号 p. A136
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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