日本海洋学会誌
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琵琶湖の内部境界層に発生する擾乱の観測
奥田 邦明
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1973 年 29 巻 5 号 p. 221-226

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抄録
強い風によるかきまぜが存在する時, 琵琶湖の季節的なサーモクラインの最上部において短周期の温度変動に関する観測を行った.
観測期問, 温度の鉛直分布は混合層の底において不連続的に変化し, そのすぐ下の2m程度の厚さの内部境界層において, 大きな勾配を持っていた. 内部境界層における最も卓越した擾乱は, 2分から3分の周期で, 振幅は約1mであった. そして, それらは5分から10分の間隔で間歇的に発生し, 生成, 消滅を繰り返していた.
このよな結果から, それらはシアーによる不安定性機構によって発生したこと, そして, それらが風による季節的なサーモクラインの浸食過程を支配している可能性があることが示唆される.
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