抄録
フィリピン海の表層10mに浮遊していた廃油ボールの付着細菌密度を, 1973年1月に定点 (22°00.2'N, 125°51.9'E) において観察した.
廃油ボール単位面積 (cm2) 当たりの全菌数は106 (bacteria/cm2), また, 有機栄養細菌数は106 (bacteria/cm2), 更にまた, 石油分解菌数は104 (bacteria/cm2) であった. これら石油分解菌と有機栄養細菌とが細菌相を占める割合は, 環境海水中における石油分解菌と有機栄養細菌とが細菌相を占める割合に比べて著しく高いことが判明した.