2001 年 27 巻 2 号 p. 191-196
固相上に存在するタンパク質の立体構造や配向といった分子状態が注日されている.本研究では,表面プラズモン共鳴(SPR)現象を利用したバイオセンサ-によって,固相上タンパク質に対する非イオン性界面活性剤(TritonX-100)の吸着量を測定することにより,固相上タンパク質の構造変化についての情報を得ることを試みた.固相上に固定化したα-glucosidaseとholomyoglobin,apomyoglobinに対するTritonX-100の吸着量をそれぞれ測定した結果,吸着量がタンパク質の固定化量と全体的な表面疎水性に依存することが示唆された.また,固相上タンパク質の6M塩酸グアニジン変性に伴う界面活性剤吸着量の増加も観察された.これらの結果から,SPR現象を利用して固相上タンパク質へのTritonX-100の吸着量を測定することによって,固相上タンパク質の立体構造の変化を検出できることが示唆された.