抄録
ラジアントチューブバーナから発生する騒音の予測を行うため,燃焼時の排気口付近における騒音と管内における局所音圧分布を測定し,騒音発生のメカニズムを明確にした.騒音の予測には伝達マトリクス法を用いて解析結果と実験と比較し,解析精度の検証を行った.前報においては,管形状の比較的単純な管内燃焼器を対象に解析を実施した.解析の結果,出口付近での騒音の傾向は把握できたものの,共振周波数付近における騒音レベルの解析精度については不十分であった.
そこで本報では,管内で発生した騒音が出口付近に到達するまでの減衰率を算定し,これを考慮した.その結果,理論解析結果と実験結果との共振周波数付近における騒音レベルはバーナ周囲雰囲気温度やバーナへの入熱量を変化させた場合においても比較的よく一致し,本研究で用いた手法は今回取り上げたラジアントチューブバーナの騒音特性の解析に活用できることを確認した.