2001 年 27 巻 5 号 p. 652-656
高温高圧水(温度200~400°C,圧力1.5~33.8MPa)中におけるポリビニルアルコール(PVA)の分解挙動について解析を行なった.反応後の溶液に含まれる成分について定性を行なった結果,酢酸,ギ酸,炭酸のほか,ベンズアルデヒド,ベンゾフェノン,アセトフェノンといった芳香族化合物が生成していることを確認した.これらの生成物の構造から,高温高圧水中においてPVAは側鎖の脱離や熱分解などのラジカル的な反応によって環化が起きることが示唆された.