2003 年 29 巻 1 号 p. 82-86
シリコンウエハ上に,上部幅433µm,底部幅296µm,深さ91µmのマイクロチャネルを形成し,ガラス板を陽極接合したマイクロリアクターを設計した.このマイクロリアクター上で,酸化還元酵素であるラッカーゼを用いて,環境汚染物質の分解反応を行った.その結果,マイクロリアクター内でも酵素反応が進行し,ビーカー等のようなマクロな反応器を用いるよりも,反応速度が400倍以上向上することが明らかになった.また,マイクロリアクター内での酵素が非常に安定なため,酵素溶液のリサイクルが可能であることが判明した.さらに,このマイクロリアクターを直列に接続することにより,分解率を90%以上に向上させることができた.