化学工学論文集
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[特集] 新しい電池の開発および関連技術
超音波噴霧熱分解法により合成されたLiMn2O4の粒子特性
松田 圭悟谷口 泉
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2003 年 29 巻 2 号 p. 232-237

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抄録
超音波噴霧熱分解法によりスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粉体(LiMn2O4)を合成した.この粉体の合成には9種類の前駆体溶液を用いた.前駆体溶液は,ギ酸リチウム一水和物,酢酸リチウム二水和物あるいは硝酸リチウムと,ギ酸マンガン二水和物,酢酸マンガン四水和物あるいは硝酸マンガン六水和物との様々な組み合わせからなっている.溶液の金属イオンの濃度は0.54mol/dm3である.X線回折,BET法,TEMおよびFE-SEMを用いて合成されたLiMn2O4の粒子特性を調べた.また,ICP発光分析を用いて粉体の化学組成を決定した.結果として,全ての試料において,X線回折パターンは単一相スピネルLiMn2O4であることを示し,実測した化学組成は化学量論組成と良好に一致していた.しかしながら,粒子の形態は4つのパターンに分類された.合成された粉体を,リチウムイオン二次電池の正極活物質として用い,充放電特性を調べた.また,サイクル特性から試料の電気化学特性を考察した.
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© 2003 公益社団法人 化学工学会
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