抄録
水蒸気系吸着ヒートポンプ(AHP)用吸着材の開発を目的として,近年リサイクル等で着目されているPETを原料に用いて低温KOH薬品賦活により活性炭を製造し,その水蒸気吸着特性に基づく性能評価を行った.
KOH/原料比0.8–4,賦活温度673–873Kにおいて生成された活性炭は,AHP操作範囲において最大でシリカゲルの約1.7倍の水蒸気平衡吸着量を示すこと,原料単体の熱分解生成物と比較し賦活炭の方が収率が非常に高いこと,賦活温度およびKOH/原料比がそれぞれ773Kおよび3.2で最適となることが分かり,本法によってAHP用吸着材として優れた性能を有する活性炭の製造が可能であることが示された.