2003 年 29 巻 5 号 p. 698-700
二相密閉型熱サイフォンは,ガス-ガス型熱交換器,道路の凍結防止,融雪,電子機器の冷却等に広く応用されている.しかしながら,熱サイフォンに供給する熱流束が小さい場合,熱サイフォン管内では作動液の沸騰が間欠的となり,作動液の振動流動が発生して,管内温度および管内圧力が大きく変動する.そこで本研究では,気泡核を供給することにより作動液の沸騰を連続させ,管内温度および管内圧力の変動の抑制を試みた.気泡核は,熱サイフォン管下部の作動液液溜内に管状焼結体を挿入することによって供給した.実験結果から,管状焼結体を挿入することにより,管内での作動液の振動流動が抑制され,管内温度および管内圧力の変動量が小さくなることがわかった.