化学工学論文集
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安全,環境,エネルギー
二酸化マンガン固定化膜を用いた過酸化水素センサの特性
永田 良一阪井 努権藤 晋一郎上村 芳三幡手 泰雄
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2003 年 29 巻 6 号 p. 843-846

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抄録
前報ではMnO2粗粒子のポリ塩化ビニル固定化膜と溶存酸素センサからなる過酸化水素センサについて報告した(Nagata et al., 2000).本研究では,400mesh節下のMnO2粒子をセンサの作製に使用した.このセンサを用いて,酸化性物質の共存ならびに種々の水質がセンサの定常応答値,Rs,におよぼす影響等を調べた.以下の結果を得た.1)400mesh館下のMnO2粒子を用いたことで,H2O2蒸留水溶液に対するセンサの感度は前報に比べて2倍以上向上し,その温度依存性は298Kを基準に288Kから308Kで10Kの上昇あたり約10%増加した.2)酸化性物質の蒸留水溶液に対するRsは無視小であった.酸化性物質とH2O2が共存する場合,Rsは4%以下の影響を受けた.水道水,NaClO水あるいは塩素水のH2O2水溶液に対するRsはH2O2の蒸留水溶液に対するRsよりも4–11%低下した.一方,H2O2の海水溶液では,H2O2の蒸留水溶液に対するRsとほぼ同値であった.
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© 2003 公益社団法人 化学工学会
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