溶媒抽出が可能なセトラーを備えた合流型の微小マイクロチャンネルを有するステンレス製マイクロリアクタを, 金属精密加工技術を用いて試作し, 液の流動状態を観察して銅イオンの抽出特性を調べた. フラスコを用いた回分抽出操作を行い, マイクロチャネルリアクタとの抽出特性と比較し, 以下のことを明らかにした.
1)プランジャーポンプを用いた送液は, プランジャーの往復運動や, 高圧力での送液により, 軽液と重液が混合し, どの形状のリアクタでも軽液と重液の分離ができなかった. 2)シリンジポンプを用いた送液は, マイクロリアクタの各形状のうち, セトラーを有する形状のリアクタが, 広い流量範囲で抽出操作に適用できることがわかった. 3)銅イオン濃度0.01 mol/dm3のマイクロリアクタを用いた銅イオン抽出操作では, フラスコを用いた回分接触の場合よりも迅速に抽出平衡に達していた. 4)銅イオン逆抽出操作は, マイクロリアクタを用いる場合よりもフラスコを用いた場合の方が高い抽出効率が得られた.