2007 年 33 巻 5 号 p. 432-438
TiO2光触媒のCO2改質性能向上を目的として,ゾルゲル・ディップコーティング法により作製するコーティングTiO2膜に光析出法にて金属担持を行い,TiO2のCO2改質性能におよぼす影響を評価した.その結果,銅管上にコーティングしたTiO2膜へPdを担持した場合,コーティングTiO2膜は金属担持の際に脆弱化して銅管から剥離し,金属担持の効果が十分に得られなかった.金属担持したTiO2粉末をTiO2ゾル溶液中に混入させてコーティングTiO2膜を作製した場合,Cu, Pd, Ptの3種類の金属の中でPdを担持した時に最も高いCO2改質性能が得られた.また,コーティングTiO2膜の焼成時間を420 sから180 sへ短くすることで,担持金属種によらず,CO2とH2Oの混合気体からCOや炭化水素への改質性能が促進された.金属担持により,CH4と共にCH4の中間体のCOの生成濃度が増え,コーティングTiO2膜のCO2改質性能が向上した.