化学工学論文集
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材料工学,界面現象
材料温度変化法を利用した水性揮発2成分系塗膜の乾燥速度測定
今駒 博信長岡 真吾堀江 孝史吉田 正道
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2010 年 36 巻 1 号 p. 64-69

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抄録

市販の水性アクリルエマルション塗料にエタノールを添加した水性揮発2成分系モデル塗料を,鉄板基材上に塗布した塗膜の回分式対流乾燥実験を行い,表面温度変化と質量変化を同時測定した.単独揮発成分系に対して導出された材料温度変化法の基礎式を揮発2成分系に拡張し,拡張式に実測した両変化を代入してエタノール添加水性塗料の水とエタノールの乾燥速度を求めることに成功した.
乾燥時の蒸発蒸気や湿り塗膜の組成分析を用いずに湿り成分毎の乾燥速度を測定できる本方法は画期的である.ただし,本方法は質量変化の測定可能な低風速熱風条件下での利用に限定されるし,揮発3成分系以上に対して直接的には利用できない.

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© 2010 公益社団法人 化学工学会
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