化学工学論文集
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環境
イオンコーティング技術による高放射線汚染土洗浄用装置の汚染防止効果
石山 新太郎神谷 昌岳近藤 充記比氣 明典
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2013 年 39 巻 4 号 p. 405-410

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抄録

福島県下において570,000 Bq/kgを超える高放射能汚染土壌の解砕洗浄フィールド試験を実施し,膜厚5 µmのAl2O3コーティングを施した解砕洗浄装置構成材料表面(SUS304)の放射能汚染防止特性ならびにスラリーエロージョン損傷特性を評価し,下記結論を得た.
(1)固形物濃度50%の高粘性洗浄液中において最大3 hの解砕洗浄後のコーティングクーポンでは,表面に付着した土壌粒子ならびに放射性物質の湿布圧掃による完全払拭が可能である.これに対して,コーティングしないSUSクーポンでは,湿布圧掃や超音波洗浄では除去できない強固な表面付着による微粒土壌粒子や放射性物質の残存が認められた.
(2)解砕洗浄によるスラリーエロージョン損耗量はSUSクーポンの場合,解砕洗浄開始1h以内で0.94 µm/hの高い値を示したが,それ以降顕著な損耗は認められなかった.これに対してコーティングクーポンでは,全洗浄時間においてSUSクーポンの約1/7(0.14 µm/h)の低損耗速度を示した.

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© 2013 公益社団法人 化学工学会
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