2014 年 40 巻 6 号 p. 492-498
DDR型ゼオライト膜を用いた膜分離法によって,バイオガスから高濃度メタンを回収すると共に,高濃度二酸化炭素を同時回収するプロセスを検討した.本報では,DDR型ゼオライト膜のみを用いて膜の透過側を減圧し,精製メタン濃度95%,回収二酸化炭素濃度97%以上かつメタン回収率98%の条件でメタン精製するプロセスを構築できることを明らかにした.さらに,後段に中空糸ポリイミド膜を組み合わせた複合循環プロセスによって,精製メタン濃度98%,回収二酸化炭素濃度97%かつメタン回収率98%以上の条件で精製が可能であることを明らかにした.下水処理場での実バイオガスを用いた長期連続精製実験により,本システムは安定運転が可能で,燃料ガスの損失が少なく,環境負荷を低減したバイオガス精製技術であることを示した.