抄録
茲に報告する實驗は,昭和19年の暮から昭和20年3月上旬迄の期間に行つたものである.当時の事情として不充分の箇所はあるが,ひとまず纒めて報告する次第である.本研究は輝焔の輻射を求めるのが目的であるため,まず焔よりの輻射量の絶対量を求めた.(22)バーナー径は1, 2, 5, 7,及び10mm.を使用し,夫々の場合につき,「ガス」流量を変えて輻射量を測定し,更にCO2を6%, 8%, 10%燃料「ガス」に添加して同様の測定を繰返し,炭化水素の影響を檢した.その結果,炭化水素の添加の%に從い輻射量は略併行的に増加することを認めた.更に輻射有效温度を推定し,炭化水素の分圧,及び平均炭素原子数を知る時,任意の径の「バーナー」について任意の流量に対する輝焔黒度を求める式を導いた.(23)