2025 年 81 巻 17 号 論文ID: 25-17173
沿岸・河口域における水質汚染の原因解明および対策の検討を行うため,観測値と数値シミュレーション結果をデータ同化手法で融合した水環境解析用のデータベース:解析データベースの開発が求められている.本研究では,伊勢湾を対象とした流動の数値シミュレーションモデルの結果に,水温と塩分の観測値を同化し,伊勢湾全体を対象とした2011年から2022年までの12年間の物理量解析データベースを作成した.解析データベースの水温および塩分のRMSEは,伊勢湾湾奥の表層でそれぞれ0.7°Cおよび2.2であり,数値シミュレーション結果に比べて0.7°Cおよび1.0改善された.この精緻化された解析データベースを用いることで,ユーザーは自身の関心のあるイベントの解析が可能となる.