化学機械
Print ISSN : 0368-4784
科学技術者の立場より新時代を語る
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1941 年 5 巻 1 号 p. 35-48

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抄録

日独伊三国同盟を契機として,今や世界各国は其の欲すると欲せざるとを問はず,その向背を決し色彩を明かにせざるを得なくなかつたかの観がある。そして与るべきは与り,亡ぶまべきは亡ぶ時代が,思ひもかけず廿世紀の中葉近い今日に発生し来つたことは,その動機或は原因には時代の変遷に従つて非常に大きな相違を認められるにしても,如何にも歴史は繰返すの感が深い。
光輝ある紀元二千六百年を迎へた我国は,言ふ迄もなく益々与らなければならない。のみならず,大亜細亜を統率して永遠の平和を招来し,人類の福祉を増進しなければならない大使命を帯びてゐる。
我が化学工業はそれを遂行すべき責任の一半を,否大半を負つてゐる。化学工業を振興し,欧米依存主義を捨てゝ,早く自らの力に依つて,化学工業を育て独自の技術を盛り立てなくてはならぬ。此の意味に於て現在科学に身を投じてゐる者は新時代を深く自覚し益々其の技を磨かなければならぬ。本座談会には各方面の権威者が集まり科学技術者として如何なる方面に特に眼を開かなくてはならぬかを示された。会員各位の啓蒙される点が多々あることと思ほれる。(編輯)

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