化学機械
Print ISSN : 0368-4784
輪送管の太さの選定のノモグラフ式簡便法(I)
八田 四郎次
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1941 年 5 巻 1 号 p. 49-54

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抄録

〔要旨〕 輸送管の太さは,設備に対する金利償却修理費等の固定費と輸送に要する動力費との和が最小になる様に選定するのが最も経済的である。最近Sarchet & Colburnは此の原理に基いて管径を求めるための便利なノモグラフ式解法を発表した。本文に於ては更に之を改良し一層使用の簡便なものとなし,且つ我国情に適する様に改作したるノモグラフを作製した。其の用法は,(1)流速-比重-管径のノモグラフ,(2)流速-比粘度-管径のノモグラフ,の両者から別々に管径を読んで,其の中で大なる方の値を採れば良いのである。本図は水素の如きガスから粘度の極めて大なる油類にまで普く適用し得るのである。尚本図は,動力値段,1年間の作業時数,モートル及ポンプの効率,管の値段,附属設備及据付費率,金利償却修理費の年率等を適当に仮定したものであり,実際之等の変化が最適管径に及ぼす影響は僅少であるが,本図には之等の補正を一括して簡単に求めるための尺度図を附記してある。本図は元来日本標準規格のガス管を対象としたのであるが,此の補正用目盛図を採用すれば特殊鋼管等にも利用出来,又真鍮管,鋼管等にも適用し得るのである。

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