1970 年 34 巻 12 号 p. 1288-1295,a1
冷間引抜き軟鋼棒の稀塩酸流動液による腐食実験を行ない, 流動腐食速度に及ぼす加工度の影響についてつぎのことを明らかにした。
i) 初腐食速度はいずれの流速においても加工度の増大にともない増加する。この主原因は, 冷間加工によるフェライト結晶粒の不均一化およびセメンタイトの変形にともなう水素ガス発生型カソード反応速度の増加である。
ii) 腐食面の荒れ模様は, 加工度の増大にともない細かく複雑となる一方。最大アラサは小さくなる。
iii) 冷間加工を受けた軟鋼の腐れしろまたは寿命の推定法を示した。