化学工学
Print ISSN : 0375-9253
自由上昇下にある液滴を通しての物質移動機構
分散相側物質移動速度について
原田 誠江口 弥
著者情報
ジャーナル フリー

1971 年 35 巻 1 号 p. 85-91,a1

詳細
抄録

トルエン滴-水系, n-ブタノール滴-水系における分散相側物質移動機構と液滴の挙動との関係を実験的に検討した。液滴径の小さい範囲では, 液滴内部に存在する循環流や乱れによる滴内混合状態によって物質移動速度は律せられる。振動現象を伴って上昇する液滴については, 滴内混合が激しい場合, 分散・連続両相の物質移動係数とも同一の相関式で表わされ, 物質移動抵抗は振動現象により律せられる。以上の結果を基にして, 滴内混合の緩慢な状態から激しい状態に至る広範囲の物質移動速度を滴内混合の補正パラメータを用いて定量化した。また, 振動液滴については, 一般比浸透理論を用いたAngeloの式と界面更新説に立脚した物質移動係数の式とを比較し, 見掛上Angeloの式が実測値をよく表現することを確認した。

著者関連情報
© (社)化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top