化学工学論文集
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気液下向並流充填塔によるNOxガスの炭酸アンモニウム水溶液への吸収
二宮 康平藤井 浩河野 尚志
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1984 年 10 巻 1 号 p. 102-107

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抄録

気液下向並流充填塔を用い, 高濃度NOxガスを炭酸アンモニウム水溶液に吸収させ, 流動様式とNO3-選択率の関係を検討した.kLの小さい灌液流の領域では, アルカリ成分の拡散速度をNOxガスの吸収速度よりも大きく選ばないと, 気液接触面近傍の液境膜内に酸性部分が生じ, NO3-選択率が上昇する.kLの大きな気泡流の領域では, 液境膜内に酸性部分が存在しないにもかかわらず, NO3-選択率が上昇する。この場合には, N2O3およびN2O4の1次反応を伴う同時吸収反応で, N2O4の吸収速度がkLの増加とともに物理吸収速度に近づくと考えると, 実験結果をよく説明できた.

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