抄録
硫酸銅0.1mol・dm-3を含む酸性水溶液からの銅の電析を行い, 粒径2.12mmの銅メッキガラス粒子からなる矩型流動層電極の電気化学的特性を研究した.2つの電解槽は, 電流の流れに対して断面積が0.34dm2で, 層厚さがそれぞれ1.8cmおよび3.7cmである.
みかけの電流密度は全電極面積基準 (作用極面積と全粒子表面積の和) で計算され, この電流密度と作用極で測定した過電圧を用いて, 矩型流動層電極の電流-電位曲線が表された.この曲線と層内の各位置での過電圧を用いて, 粒子表面での反応電流が推算された.全反応電流の算出値は, 約10~15%の誤差で実験に用いた槽電流と一致した.また, 流動層厚さ方向への反応電流分布から, 陰極としてより活性な粒子は作用極から0~10mmの範囲と隔膜近傍とに分布することがわかった.