化学工学論文集
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血漿採取用円盤型血漿分離器の性能
峰島 三千男阿岸 鉄三太田 和夫酒井 清孝
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1986 年 12 巻 3 号 p. 280-286

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抄録

世界の25%の血漿製剤を消費している我が国では血漿の確保が急務となっている.これに対して近年膜による血漿分離法が急速に発展してきており, 自己免疫疾患患者に対して臨床応用されるに至っている.本研究ではこの膜分離技術を血漿採取に応用することを考え, 入手した小型の円盤型血漿分離器の性能を検討するとともに, 血漿採取に必要な至適分離器形状を確立することを目的とした.
供給液としてウシ血液を用いた濾過実験を行い, 供給血液の膜面剪断速度 (γω), 血球体積分率 (Hb) を広範囲に変化させたところ, 次式に示す濾過流束 (Jv) の式をモジュール円周方向の距離rの関数で表すことができた.
Jv (r) =1.56×10-9γω (r) /r1/3ln (1.48/Hb (r))
この実験結果をもとに血漿採取条件 (1800sで4×10-4m3の血漿を採取) を満たす至適形状について模索したところ, 膜面積は最低0.15m2以上必要で, 各々の膜面積に対するモジュール円周方向の長さ, 流入部内径, 血液層高さ, 層数を求めることが可能となった.

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