化学工学論文集
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線形モデルで表されるプロセスシステムの実行可能領域とフレキシビリティ
欅田 榮一西谷 紘一轡 義則
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1986 年 12 巻 3 号 p. 301-306

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抄録

線形モデルで定式化されたプロセスシステムがもつフレキシビリティは, システムの主要な出力の空間や, 外部から課せられるデマンド条件を表すパラメータの空間における実行可能領域としてとらえることができる.本論文では, この実行可能領域を近似的に求め, その大きさを定量化する手法を示した.領域を求めるには, まず, システムの実行可能領域の境界点を線形計画法によって捜し出し, 次に, それらの点の凸包を作る.その結果, システムの実行可能領域の近似領域がポリトープとして得られる.システムがもつフレキシビリティの大きさの指標として, 近似領域 (ポリトープ) に内接する最大の超球の半径を用いる.本手法を用いて, 現存するスチームパワーシステムの実行可能領域を求め, システムがもつフレキシビリティを明らかにした.

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© (社)化学工学会
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