化学工学論文集
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ニュートン・ラフソン法を利用した段式分離プロセス用計算手法の比較検討
高松 武一郎木下 正弘
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1987 年 13 巻 3 号 p. 263-272

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抄録

ニュートン・ラフソン法を利用した段式分離プロセスの操作型問題の解法をレビューし, 数値実験による比較検討を行った.収束安定性と計算時間にのみ着目した場合, 次の結果を得た.沸点が成分間で大きく異なる系を処理し, かつ製品の流量が繰り返しの過程で変化する場合をガス吸収タイプの問題とし, その2つの特徴の少なくとも1つがみられない場合を蒸留タイプの問題とする。液モル分率か成分液流量が独立変数の中に含まれていない解法は, 非理想系には不適当である.蒸留タイプの問題ではBlock-Hegner法が適切であり, 他の解法での線形化における近似的取扱いは, 原報から判断される以上に汎用性を低くする.ガス吸収タイプの問題ではNaphtali-Sandholm法が適切である.しかし, 各法が独自の利点を有しているため, 断定的な表現はできないが, ある与えられた場合にどの解法が有力となるかを判定する際に役立ついくつかの他の情報も得られている.

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