化学工学論文集
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ダイナミック濾過における濾室内流動状態に及ぼすローター形状の影響
白戸 紋平山崎 春夫村瀬 敏朗岩田 政司伊藤 毅
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1987 年 13 巻 3 号 p. 363-369

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抄録

ダイナミック濾過では, 濾材面から濾過ケークを完全に掃流できる形状をもつローターが望まれる.この条件を満たすローター形状を考察するため, 数種類のローターを用い透過がない場合について, 濾室内部の速度分布およびローターの流体摩擦抵抗を測定しローター形状の影響を検討した.
溝付鈍頭ブレイド形ローターを高速回転させると, 濾材近傍に生ずる境界層において周方向, 半径方向および軸方向のすべての速度成分をかなり増加させ, 濾材面に強い剪断力が作用し掃流効果を向上させると考えられる.速度分布に及ぼすブレイド形ローターのレイノルズ数Re, 溝幅aおよび溝ピッチlの影響は, 核流部とローターの周速度比Kの増加で評価することができ, K値と無次元量 (Rea/l) の本報の関係式を用いれば, 濾室内部の速度分布を近似推定できる.また, ブレイド形ローターの回転トルクについても, 同様な操作諸因子を用いてRe>3×105の乱流範囲における相関式を得た.

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