1987 年 13 巻 6 号 p. 801-810
前報では, 多成分非理想系の充填塔による精留の基礎方程式に摂動論を逐次近似法とともに適用することによって導かれる, 塔内組成分布に対する近似解析解の実用性を検討した.
本報では, 解の精度を高めるために, 摂動の既知関数項 (主として, 逐次近似の前段階において計算されるパラメータの偏奇からなる項) に対する簡明な形の一般式を導いた.さらに, これらの式の反復使用による設計型問題の解の精度を高めるために, 与えられた分離条件下で全充填高さが最小になるように最適原料供給位置を決定する計算法を提案した.
提案法によって得られる解は数値解法による正解とよく一致することがわかった.