高濃度石炭-水スラリ (CWM) 製造との組合せに適した脱灰法として, 浮選法での捕収剤 (灯油) をガス化して供給する方法を検討し, 従来の浮選法と脱灰性能およびCWM性状を比較した. さらに, 脱灰前後でのCWMの性状の変化を調べた.その結果, 捕収剤をガス化供給することにより, 炭分を回収するのに必要な捕収剤量を少なくでき, かつ脱灰した石炭を用いて調製したCWMの見掛け粘度も低くできることがわかった.さらに, 脱灰前後のCWMの流動性を比較すると, 脱灰によりCWMの流動性は良くなるかもしくは変わらず, 悪くなる石炭は認められなかった.脱灰によって分散剤の必要量が少なくなる石炭があるが, これは分散効果を低下させる灰分が除去されたためと考えられる. また, 脱灰により灰の摩耗性や付着性が改善され, ボイラ本体がコンパクトになる可能性があることが明らかになった.