化学工学論文集
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セラミック膜モジュールを用いた気液固三相クロスフロー濾過
今坂 卓男兼国 伸彦宗 浩之吉野 成
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1989 年 15 巻 3 号 p. 681-683

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抄録

著者らは既報において, エアリフトによる自然循環を利用した気液二相流動系のクロスフロー濾過特性を実用規模相当のセラミック膜モジュールを用いて評価した.操作条件に対する基本的な透過性能を把握するとともに, 従来の液単相流動系のクロスフロー濾過と比較して省エネルギ的な膜処理プロセスであることを報告している.本報では, さらに透過性能を向上させる目的で, 膜面の擦過用に微小固体粒子を添加した気液固三相流動系のクロスフロー濾過を新たに提案する.
気液二相流では, 気相や液相の流量割合によってさまざまな流動様式があらわれるが, スラグ流, フロス流, 環状流においては液相は主に液膜あるいは液体塊として管壁近傍を流れ, 気相は管中心部を流動しやすいことが知られている.このような相分布の特徴を利用して, 液膜中に存在しやすい微小固体粒子をわずかに添加することによって, 膜表面の擦過効果と液膜の乱流促進効果を与えて高い透過流束が得られる可能性がある.そこで, 既報の実験装置を用いて気液固三相流動系のクロスフロー濾過性能を追加実験し, 興味ある知見が得られたので報告する.

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