1989 年 15 巻 4 号 p. 868-871
2相密閉サーモサイフォンは構造は簡単であるが, 下部加熱の時にのみ作動するため応用範囲が制限されている.このため (1) バブルポンプをサーモサイフォン中に組み込む方式, (2) 浸透膜を組み込み, ループ式のサーモサイフォンとする方式, あるいは (3) 内部に電極を取り付け, これと容器壁間に高電圧を付加するEHD (Electro hydro dynamics) 方式などが提案されている.しかしいずれも付帯装置が必要であったり安定な動作が得にくいなどの欠点があり, いまだ実用化には至っていないのが現状である.
そこで本報ではサーモサイフォン内部に電磁ポンプを組み込み上部加熱でも作動し得る双方向型サーモサイフォンを開発した.さらにその双方向型サーモサイフォンを2本組み合わせ双方向型カスケード式サーモサイフォン (Dual mode Cascaded Thermosyphon, 以下ではDCTと略する) を開発し, その基本的な作動特性について検討した.