1990 年 16 巻 1 号 p. 180-184
三相系撹拌槽の粒子浮遊限界回転数は, 三相系撹拌槽を反応装置として用いる場合に重要である.インペラーとして六枚平羽根タービンを用いた場合の粒子浮遊限界回転数についてはすでにいくつかの研究がなされ, 粒子浮遊限界回転数に対する実験式もいくつか提出されている.
プロペラ型インペラーは, 平羽根タービンに較べて, 粒子の浮遊化, 気泡の分散性能の点において必ずしも優れているとは言えない.しかし, 広く用いられているインペラーの一つであるプロペラ型インペラーを用いた三相系撹拌槽の粒子浮遊限界回転数に対する実験式を得ることは工業的に有用である.
本研究では, 前報で六枚平羽根タービンを用いた場合に適用したBaldiらの方法が流動様式が異なるプロペラ型インペラーを用いた三相系撹拌槽の粒子浮遊限界回転数の整理に適用できるか否かについて検討した.その結果, 比較的広い条件範囲に対して適用できる実験式が得られたので報告する.