化学工学論文集
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固相を含む系の相平衡計算とナフタレンー超臨界流体2成分系の3次元相図
新田 友茂池田 一史片山 俊
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1990 年 16 巻 4 号 p. 732-738

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抄録

コンピュータグラフィックスによる相図の3次元表現は高圧流体の相挙動を理解するのに優れた方法である.本研究では, 固相を含む系の相平衡計算アルゴリズムを提案し, それを用いて計算したナフタレンと超臨界流体 (エチレン, 二酸化炭素, フロロフォルム, クロロトリフルオロメタン) の2成分系相図の特徴を報告する.計算にはSRK状態式を用い, ナフタレンの昇華圧, 融解曲線を表わすために, 昇華エンタルピー, 気体と固体のモル熱容量差および固体モル体積を最小2乗法で決定した.また固体ナフタレンの溶解度を相関するために, SRK式の定数a, bに対して2成分定数kij, cijを用いた.状態方程式と固体のフガシティー計算に必要なパラメータが与えられたとき, 正しい相図を描くには, 気相, 液相, 固相の組合せの中から熱力学的に最も安定な解を得るような計算手順が必要である.このために2分法の原理に基づく区間縮小と相の安定性解析を用いた相平衡計算アルゴリズムを開発した.

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