1993 年 19 巻 5 号 p. 803-808
最近, ゴルフ場等での農薬による環境汚染が問題になっている.そこで, これらの農薬を活性炭等で吸着除去する必要がある.
活性炭による有機物水溶液の吸着速度はほとんど粒子内拡散が支配的になっている.そこで, 吸着平衡関係と粒子内拡散係数を測定するために4種類の農薬水溶液について活性炭による回分吸着を初濃度と吸着温度を変えて行った.
その結果として, ここで測定した濃度範囲ではフロインドリッヒ型の吸着平衡により整理ができた.そして, この吸着平衡の温度変化から吸着熱を算出した.また, 表面拡散係数を求め, その温度変化から活性化エネルギーを算出し, 活性化エネルギーが吸着量に関係していることから, 表面拡散係数が吸着量に依存していることを明かにした.