1994 年 20 巻 1 号 p. 121-123
最近天然ガスをめぐる議論が活発に行われるようになってきた.天然ガスはエネルギー供給源として息が長いだけではなく, 比較的クリーンな点が注目される要因のひとつである.とりわけH2OのCH4との包接化合物であるCH4 hydrateは, 非在来型天然ガス資源として開発の期待が高い.本研究では, 最近その存在が明らかにされた四国沖南海トラフ海底のCH4 hydrate fieldに限定し, CH4の採掘と同時にCO2流体貯蔵-エネルギー資源問題と地球温暖化問題とのリンケージーの可能性について, 熱力学的物性の側面から検討する.