1994 年 20 巻 4 号 p. 468-474
灯油/水/界面活性剤系から0.2~50vol%の油濃度のO/Wエマルションを調製し, 細孔径の均一な多孔質ガラス膜によってクロスフロー精密濾過して, 透過流束や油阻止率及び濾過抵抗など済過条件に及ぼすエマルションの濃度の影響を明らかにした.その結果, 油濃度が5%以下の比較的低い領域では, エマルションの濃度が増加するとともに膜面の濃度分極に従って, 透過流束が次第に減少した.しかしながら濃度が5 vol%を越えると, 濃度分極から予想されるよりも遥かに低い透過流束しか得られなかった.この事実はバルクエマルションの高い油分濃度域ではレイノルズ数が減少するため, ゲルの掻き取り効果が著しく減少することによって説明される.