1995 年 21 巻 5 号 p. 944-947
液-液系の乳化分散は, 化学工業の広い領域にわたって用いられる重要な単位操作のひとつであり, 用途に応じて様々な装置が用いられている (Noro, 1980).しかし, 界面活性物質を含む系で, 特に微細な乳化を要しない場合には, より簡単な方法でも比較的安定な分散系が得られ, プロセスの単純化が期待できる.そこで, 本研究では, 簡単にプロセスに組込め, 拡張性も得られるように, 平行に固定された2本のニードルから連続相と分散相の各液を小容器内へ同時に噴出させる装置による連続乳化を試みた.ここでは, 連続相には非イオン性界面活性剤Span 80を溶かしたケロシンまたはn-ヘプタンを, 分散相には蒸留水を各々用いて, 両相液を2本の同じ内径のニードルから同じ流速で噴出させ生成したW/O型エマルション中の分散滴径について検討した結果を報告する.