1995 年 21 巻 6 号 p. 1090-1095
各種固体酸触媒を用いて1-メチルナフタレンから2-メチルナフタレンへの異性化反応を行なったところ, 高度に脱Al処理を行なったHYゼオライトを用い, 原料添加物としてメチルテトラリン (MT) を用いた場合に著しく触媒寿命が改善されることを見いだした.脱Alを行なうとHYゼオライトは格子定数が小さくなることが知られているが, 24.30~24.34Åのときに最も長い寿命が得られた.脱Alによって表面酸点密度が低下し, 脱水素による重質コークが形成されにくくなるものと考えられる.MT添加は石炭液化におけるテトラリン溶媒と同様なコーキング抑制作用を有するものと考えられる.MT添加時は異性化への選択性が上昇すること, 希釈ガスの削減が可能であること等もわかった.上記以外の触媒または添加物を用いた場合はコーキングによる活性劣化が大きく, 実用には適さない. 最適条件において連続6000時間以上の寿命を確認した.