化学工学論文集
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D2EHPAによる鉄イオン抽出系における濃度分布の測定と界面反応機構の解明
金 浩淑神吉 達夫浅野 強
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1997 年 23 巻 1 号 p. 95-102

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抄録

D2EHPAによる鉄の抽出について, 鉄イオンの界面近傍における濃度分布を位置走査型分光光度計を用いて測定し, 初期抽出速度と鉄イオン濃度, 抽出剤濃度, 水素イオン濃度の関係を明らかにした.あわせて, 界面張力の関連化学種の濃度依存性をも考慮して界面における反応機構について考察した.その結果, 1) 抽出濃度域では, 有機相中にエマルションが発生する.2) 抽出剤は界面で鉄イオンを捕捉し, 中間錯体112錯体を形成する, 3) 反応速度は鉄イオン濃度に1次, 水素イオン濃度に-l次の依存性を示し, 抽出剤の低濃度域では, 抽出剤の二量体濃度に1次, 高濃度域では, 二量体濃度に0次の依存性を示す, 4) 反応速度は, 鉄イオンが抽出剤二量体と反応する過程が律速とするモデルにより説明できる, ことを明かにした.

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