1997 年 23 巻 6 号 p. 962-968
周期的濃度変動操作下でのNO-CO反応を活性物質を担体の外表面付近に担持したEgg-shell型および内部に担持したEgg-white型のPt/Al2O3上で行い, 細孔内拡散の影響を検討した.ある変動周期の範囲において, 変動操作下の時間平均NO転化率が定常操作下でのNO転化率を上回る変動操作効果の発現が確認された.時間平均NO転化率は変動周期に対して極大を持ち, 増加し始める周期はEgg-shell型に比べEgg-white型の方が長かった.長周期での時間平均NO転化率はEgg-shell型では比較的短い周期から顕著に低下したが, Egg-white型ではあまり低下せず, 360sという長い周期でも定常操作下の結果を上回った.簡略化したモデルを用いて計算を行ったところ, この傾向は再現され, 上記の実験結果は変動操作下では拡散によってCOの見かけの脱離速度が遅くなることが原因であることが示唆された.