化学工学論文集
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廃棄物再生燃料 (RDF) の流動層燃焼における NOx 排出特性
香川 幸子神谷 秀博畔上 統雄堀尾 正靱
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1997 年 23 巻 6 号 p. 976-982

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抄録

廃棄物再生燃料 (RDF) の流動層燃焼特性に関する基礎的な情報を得るため, 特にCaOとClがNOx排出特性に与える影響について検討した.RDF中のCaOとClの有無は, 新聞紙・おから・PVCより作成した合成RDFを用いて検討した.合成RDF中のCaOと各元素組成は, 都市ゴミRDFを摸擬して調整した.合成RDFの小型流動層炉における連続燃焼試験の結果, CaOとClの共存するRDFは, CaOとClのいずれかを含むRDFよりも, fuel-NからNOxへの転換率が高かった。また, CaOとCIのいずれかを含むRDFのNOx転換率は, CaOとClのどちらも含まないRDFとほぼ等しかった.CaOとClの共存によるNOx排出量の増大効果は, 低空気比条件で特に大きく, またCaO添加率が高いほど顕著になった.以上の結果から, NH1 (1=1~3) のNOxへの酸化反応におけるCaOの触媒効果が, RDF中のClにより活性化されたものと考えられる.さらに, RDF製造プロセス, 密度, RDF形状, そして添加剤の種類 (CaOとCa (OH) 2) の違いがNOx排出特性に与える影響を検討した結果, これらの影響は小さいことが確認された.

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