1999 年 25 巻 1 号 p. 18-22
筆者らは燃焼器と回転再生式熱交換器を一体化した連続燃焼の可能な省エネルギー型の回転式蓄熱バーナ (RRXバーナ) を開発研究している.第1報 (化学工学論文集, 1996) では, 蓄熱体の伝熱特性について, 第2報 (化学工学論文集, 1997) でその燃焼特性について発表してきた.ここではこのRRXバーナの第3報として, 低NOx燃焼特性について論ずる.
実験を通じて, 燃焼空気が噴出する回転空気ノズルの通路 (ここでは広がり角度) を88度, 35度および15度と変化させることによってNOxが変化することがわかった.この中で空気噴出角度を15度まで狭くするとNOx排出量を9ppm以下にすることができた.
この実験結果を理解するために, Beer & Chigierの自由噴流の濃度分布式および同伴式をベースに反応を混合律速と考え, 火炎長さおよびNOxの簡単な予測計算を行った.計算結果は, 空気噴出角度を小さくすることによって排ガス吸引面積が大きくなり, したがって排ガス循環量が多くなることによって引き起こされた現象であることをよく説明しており, 低NOxの理由もよく理解できるようになった.