1999 年 25 巻 5 号 p. 764-772
空気中において無限水平面の一部を円形加熱面とし, その上方に狭い間隙を保って室温の垂直円柱を設置した場合の間隙内における自然対流熱伝達の数値解析を行った.
平板間隙距離およびレイリー数の組み合わせを種々変えてナビエ・ストークスの方程式およびエネルギー方程式の解析を行った結果は, 前に報告した平均熱伝達係数の測定値と良好に一致した.さらに, 等温線, 流線, および局所ヌッセルト数の計算結果から, 間隙内の対流状態にはレイリー数と間隙距離に応じて, 間隙外からの空気の流入による更新流れのみの単純な対流およびこれと間隙内部での渦流れの双方が存在する対流の2つがあること, ならびに平均熱伝達係数が各々の流れの強さと, それが熱伝達に関与する面積の比率から決定されることを明らかにした.以上のことから, 前報で提出した熱伝達係数の相関式の妥当性について若干の考察を加えた.