化学工学論文集
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ポリアミンを用いた多孔質ガラス充填カラムによるニッケルとコバルトの分離
藤吉 一誠
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1999 年 25 巻 5 号 p. 812-814

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抄録

3座のジエチレントリアミンおよび4座のトリアミノトリエチルアミンを溶離剤として多孔質ガラス充填カラムによるニッケルとコバルトの分離実験を298Kで行なった.前報で述べた1座のアンモニアおよび2座のエチレンジアミンによる分離実験の結果を参照してアミンの座数が金属の分離性能に及ぼす影響を検討した.アミンの座数増加により金属の吸着量が減少し, 溶離が促進され, ニッケルとコバルトがより低いアミン濃度で分離し, またコバルトの完全な回収が可能となった.分離に対するpHの最適値は1~3座アミンではpH8, また4座アミンではpH6~7であった.これらの結果から金属の溶離がアミン錯イオンによる金属の吸着および遊離アミンによる金属の脱着と言う2つの要因に支配されることが分かった.

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