パルス流動層では, 流動化空気流入と閉止の二つの連続する期間が一つのサイクルとして操作される. パルス流動層の鉛直内挿ヒーター・層間伝熱係数を, 種々のパルスサイクルならびに流動粒子において測定した. 得られた伝熱結果を連続的に流動化空気を供給する通常の流動層と比較し, またビデオカメラ観察により計測した気泡特性との相関について検討した. その結果, 流動粒子ならびにパルスサイクル操作条件によっては, 通常の流動層の最小流動化速度を下回るパルスサイクル時間基準の流動化空気流速において流動化ならびに伝熱係数の増加が認められた. また, 流動化空気閉止時に静止層が形成されるパルスサイクルにおいて, 通常の流動層に比べ大気泡形成に起因する伝熱性向上が認められた. 流動化空気閉止時間の過度の増加は静止層持続時間の増加により伝熱を阻害することから, パルス流動層伝熱に対して最適空気閉止時間条件の存在が示された.