1981 年 7 巻 6 号 p. 602-609
ポリスチレンを340~380℃の範囲で熱分解し, G.P.C.により溶融残渣の分子量分布と平均分子量の変化について調べた。分子量分布の変化も平均分子量の変化も攪拌速度や気相圧力に代表される操作条件に依存するが, これらの実験結果はJellinekが示した「Weak links」説では説明されないし, ポリマーラジカルの遊離基連鎖反応機構だけでも説明されえないと思われる.
遊離基連鎖反応機構を基礎にして, 分解生成物の物質移動速度と気液平衡濃度および再重合反応を組み入れたモデルは, 分子量変化に関する実験結果だけでなく留出速度に関する実験結果をよく説明することが, 計算機を使用しての模擬によって示された.